メダロット9がすごく面白かったよ、という話
- suzu tsukihara
- 2017年8月28日
- 読了時間: 7分
メダロット9をクリアしました。めっちゃくちゃ面白かったです!
3DS専用ソフトは色々やってるけど、望月ベスト10に余裕で入ります。ベスト5くらいかもしれません。
20周年を迎えるメダロットシリーズの(ナンバリング本編としては)最新作。3DSソフトです。
ネット対戦がなかなか面白いらしく、確かに対人戦に向いているシステムを取っているな――――とは思ったものの、あんまり対人戦は得意じゃないのでもっぱら一人プレイでした。それでもふつうにストーリークリアまでやって70時間。大満足。
プレイしたのはカブトバージョンですが、先日にクワガタバージョンも運よく出会えたので迷わず買ってきてしまいました。

あたま、みぎうで、ひだりうで、きゃくぶのパーツを組み合わせて作り上げたメダロットで3vs3形式で戦う、いつも通りのシステム。リーダーを倒せば即勝利だけど、8からリーダーが最初から判別できないのでより戦略性が増しました。
わたし自身の経歴は、
初代のパーツコレクション2→2→初代→5→Navi→3/4→真型→7→8
というプレイ順です。
いちおう本編は全部プレイしてるけど、アニメはノータッチな上に3と4をリアルタイムで触れなかったので、いわゆるイッキ編への思い入れがちょっと同世代ファンの平均とは異なってそうだなーという立場。
えーと、なんかもうおわかりでしょうが物凄く褒めます。
褒めてる部分も人によっては難点になりうるなと思ったので、わざわざわたしが思った難点を指摘する必要もないかな、という判断です。ところどころだめなとこが無かったとはいわないけれど、それより長所が勝ってたので。ご了承くださいな。
面白さの理由は色々あるものの、大きく分けると
・長いシリーズの中で洗練された戦闘バランス ・キャラクター、世界観の魅力 ・目的が常に膨大に存在し、順序決定/並行達成の自由が利くゲームシステム
の三点に分けられると思うので、三段で述べていきましょう。
まずね、戦闘は随一面白くなってます。
シリーズ一作目からやってるけれど、セッティングや戦略の立て方は一番磨き上げられているというのをひしひし感じます。3Dモデルでがっちゃんがっちゃん動くメダロットたち見てるのも楽しい。
基本的にこのゲームは「同じ相手と連戦する」シーンが多いです。
……これ人によっては難点になりうるし、べつに連戦しない人も多いんだろうけど、わたしは連戦してました。勝つと相手のパーツがもらえるのだけど、最大3つしか手に入らない一方、相手は4*3の12パーツあるわけで。全部集めようとすると最低4戦、場合によってはもうちょっと連戦することになる。なりました。
でね、プレイ感としてはハクスラなんです。
つまり、勝つだけだったら結構なんだかんだでゴリ押しが効くんですが、「倒した敵の数だけパーツがもらえる」「破壊したパーツのみが候補になる」というシステムの都合上、まっさきにリーダーを倒してしまうと戦闘に勝利してしまってリーダーのパーツしか候補にならないし一個しかもらえない、ということになる。 だからできるだけリーダーを避けて「うまくたくさん倒す」という作戦を立てる必要があります。 オート戦闘でできるようにローテーション組むのが面白い。
世界観やキャラも、一つ一つの要素は特別目新しいものではないとはいえ
「廃坑の跡地につくられた謎の学校」 「事件に巻き込まれたことで入学することになってしまった主人公」
「あちこちにある先住者の痕跡」
冒頭からたくさんの謎が提示される。 そして、本編は「探検部」として島の未知の地域を巡るのがメインになります。ひとつひとつの地域はそんなに深くはないけれど、行くたびになにかの痕跡を見つける。 非常に好みなストーリーラインです。
わたしが「これはよいものだな?」と気づいたのは初めて倉庫に踏み込んだとき。まだ作られたばかりの学校になんでこんな古びた地域が――――? というのは大きな牽引力になりました。
説明の比重として、最終的に投げかけられていた伏線がかっちりと回収されたのが良かったなあと思っています。作中での不可解な行動、意味ありげなものには概ねきちんと説明がついている。
いっぽうで、キャラクターの掘り下げはそこまでしていません。
活躍するシーンの少ないキャラは本当にたくさんいるし、主要キャラの一端といえるだろう生徒会メンバーもほとんど登場シーンがありません。
わたし個人はクニギク部長が大好き。
飄々としている実力者、のようで相棒は回復専門の人魚型だったり、掴み所の無いヘンな人は良いものです。部長は生徒会長と過去になにかあったような雰囲気なんですが、劇中でそれが明かされることはついにありませんでした。
ただまあ好きに考えればいいということで、ここらへんのエピソードや回想を挟んでくれた方が良かったか、というと必ずしもそうは言えません。
「キャラについては語り過ぎず、設定面はきちんと伏線回収をした」
という比重がよかった。好みです。
この世界で何が起きていたか、は整合性を持たせてくれた上で、キャラクター描写はある程度好きに想像すればいいというそんなバランス。
これは逆にすることも可能で、つまりキャラをきちんと描写し、設定は簡略化したり伏線をそのままにして考察に任せたり、というパターンの作品もたくさんあるわけです。
どっちがいいとは一概に言えないけれど、わたしはこちらのパターンが好き。 わたし自身、こっちの作り方を心がけてるので親近感あります。
また本作、達成できる目標がたくさんあります。
ストーリーは基本的に探検部として未知の土地を探検していくのですが、だいたい探検先はいくつか先輩が見繕ってくるので、どこから進むか選べる。 で、新たな土地には新たな野良メダロットがうようよしているので、パーツを集めようと思ったら駆けまわってエンカウントして先述したように対戦していかなきゃならない。
また、「アクティビティレベル」というシステムも上手いなと思うとこの一つ。 いわゆるトロフィーシステムで、「所持金○○円突破」とか「ライフル攻撃で勝利」とか「草原フィールドで30勝」とかの目標がずらっと並んでるのです。 で、このトロフィーを一つ解放するとレベルキャップが一つ上がります。
……つまり、トロフィーを狙わずに延々戦っててもすぐにレベルが頭打ちになってしまうため、ある程度アクティビティレベルの達成を狙っていかなきゃならんのです。
とりあえずここのフィールドで戦闘回数を稼いでみよう、とか。 「1ターンキル」「1対3で勝利」とかを達成するために本気でカスタマイズしてみるとか。 新しいパーツが知らない攻撃属性だからそのパーツを主軸にしたチームを編成してみるとか。(「ソード」「ライフル」など、攻撃属性一つ一つに「○○攻撃でとどめ」というトロフィーがあります)
パーツ集めとお題達成を並行しながら探検していき、できることがほんとに無くなったらボスを倒して新しい土地を探検、新しいパーツを手に入れたらそれを試しながらトロフィーを狙う……という流れでプレイしてました。
たいへんに面白かったけれど、ここまでのシリーズ全体はべつにこういうタイプのRPGではないので、シリーズ初期だけしか知らない方だと戸惑う例も多いようです。
とはいえ、シリーズファンでも十分熱中している先人たちはいます。わたしも初代からやってて大丈夫だったのでこの辺はたぶんに人次第。
また、シリーズ未経験でもロボット組んで作戦立てて戦う、というのが好きならやって損はないと思います。本編の強制イベントとしてはチュートリアル不足のきらいがあるものの、自由に開ける部分に説明が充実してるので未経験者でも大丈夫だと思います。
あとは冒頭でも書いたけどネット対戦が非常に面白いんだそうで、戦略性の高い対人コマンドバトルが好きな方にも合うかもしれません。(と同時に、対人戦前提のゲームなんでしょ、と構える必要はないことはここまで書いてきた通りです)
ちょっとでも気になった方、とりあえず体験版をやってみませんか?
中古だとあんまり手に入りにくいようだけど、DL版もあるから安心です。
だいぶ作者として制作姿勢に親近感を覚えたこともあり、拙作『パッチワーク・ドールズ』を楽しめた方は合うのじゃないかなー、という気がします。出来の良さは遥かに負けているとはいえ、方向性は近しいとこがある、ような。(こっち好きな方がパッチワーク合うかは未知数ですが)
とりあえず、わたしと嗜好が近い方にはメタルマックスシリーズと並んでおすすめしたい作品のひとつ。少しでも多くの方に触れてみてほしいなーと思います。
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