「推し」について考えてみる/あるいは現実と二次元の線引きの話
- suzu tsukihara
- 2019年2月14日
- 読了時間: 4分
バレンタインですね。ハッピーバレンタイン!
三次元世界ではべつだんハッピーな話も無い望月さんです。アンハッピーでもないのでご心配には及びません。けんこうです。
しばらくブログも書いていなかったことだし、なんとなく今日の日にも合うし、以前から考えていたことをちょっと書き出してみようかなと。 今夜のテーマは「推し」です。
「推し」。ちょくちょく聞く概念ですが、じつのところ詳しい定義は知らなかったので、この稿を書く前に改めて調べてみる。
もとはアイドルメンバーのなかの「一推しのメンバー」→「推しメン」→「推し」と派生したとピクシブ百科事典には書かれていました。推しとは【ピクシブ百科事典】 転じていろんな作品のお気に入りキャラを指すようになったのだとか。ふむむ。語源こそ知らなかったけれど、だいたい認識通りの語でよかったみたいです。
もともとこの語、あんまり縁が無いなあと思ってたんですよ。 というのも、望月さんは基本的にストーリー展開と世界観設定に惹かれるタチなので、個々のキャラクターがものすごく大好き! とはあんまりなりにくい。 そのため、「推しに元気をもらっている」のような言説を見ても、フシギだけどちょっと羨ましいなあくらいに受け止めていたのでした。 わたしも好きなキャラがいないわけじゃないけど、「好き」の度合いがずっと大きいのだろうなあという理解で。
でね、気になった言論があったんですよ。 とくに女性が中心だったけれど、「推しと付き合いたいのかと言われたけどそういうのじゃない」「推しは好きだけど実際にいたら無理」という話を見かけたのです。 ……あれ、そうなんだ? どうも局所的な珍しい論ではなく、わりと前の時代から広く共有されてる概念のようにわたしは読みました。
はて、と首を傾げたのは、いやわたし好きなキャラは現実にいても十分好きだぞと思うからです。 男性キャラについての言及が多かったことから男性キャラに絞ってみても、好きな人物といえば半田先生(ばらかもん)、ブラックジャック先生(ブラックジャック)、ニャンコ先生(夏目友人帳)、高橋先生(亜人ちゃんは語りたい)、エトセトラエトセトラ。 望月さん、きみ「先生」が好きなだけじゃねーの? それはまあいいの。 女性キャラで考えても、ぱっと浮かぶのは望月杏奈ちゃん(アイドルマスター)、各務原なでしこちゃん(ゆるキャン△)、エレバス(アズールレーン)、国城さゆりさん(メダロットガールズミッション)あたりが飛びぬけて好きなキャラクター群でしょうか。
うん。
実在していたら絶対好きになるよなー。 ……ということは、「推し」は単なる好きとはちょっと違う感情なのでしょうか。なにかもうちょっとフクザツで豊かなものなのかもシレナイ。ふむ。
ただそもそもの話、現実にいたら嫌いなキャラを二次元だろうが好きにはなれないのでは? とも思い始める。「実際にこんな人いたらなあ」と思うから好きなのであって、あんまりそこの好みを切り離すことは難しいかなと思うのです。
ここでちょっと思い出したのは、「現実と二次元を混同する」という論です。 あまり二次元文化に触れない方からときどき出されるこの指摘を、いわゆるオタクの方々は「それは全然別でしょ」「むしろ指摘してるひとたちこそ混同してしまっているのでは」と反応することが多いように観測しています。わたしも割と混同しようがないよなーと考えてるサイド。そこの線引きができているからこその二次元好きだよね、とも。
でも振り返ってみると、「好きなキャラが実際にいたら好きなのか?」ってテーマにNOと断言できるのは現実と二次元の線引きがきちんとできている人なのかもしれない。そこで「そりゃ実在してても好きだよ」と答えてしまうあたり、わたしは線引きが甘いという話なのかもしれません。
改めて言語化してみると、どうもコレ、自分の創作活動においてもいろいろと影響が出ているように思います。
とはいえ、「夢女子」って概念も聞いたことがある。自分とキャラとの恋愛譚を夢想するタイプ。 彼女たちもクリエイティブに作品を発表していたのだと考えると、べつに特別不利な特性というわけではない、のかも。……いやあんまり作品群を存じないので適当に書いているけれど。
どうもわれわれ(誰だよ)は、現実と二次元を混同してしまうひとと切り分けられるひと、その中間のグラデーション地帯にいるのだろうなとなんとなく感じ始めてます。その立ち位置を自覚できていればそれでいい、のかなあ。
こういうことをぼんやりぼんやり考えている日々です。
最後に、ふと本棚を眺めていたら「ボボボーボ・ボーボボ」が目に入ってきました。 あっ……ボーボボは好きだけど実在したらイヤだな……。これが、推し……?(たぶんちがう)
なんで2019年最初のブログが「わたしの推しはボボボーボ・ボーボボだったのかもしれない」で〆るハメになっちゃったんだろうと首を傾げつつ、今夜のお話はここまでです。
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